鳥丸聡氏、九州経済を分析。中国との関係性の変化と今後の針路を語る
エコノミストの鳥丸聡氏がラジオ番組に出演し、内閣府が発表した11月の景気ウォッチャー調査を元に九州経済の現状と先行きについて解説を行った。現場のリアルな声を反映するこの調査から、九州経済が直面する課題、特に中国との関係性の変化が浮き彫りとなっている。
九州の景況感、全国比で鈍化傾向か
鳥丸氏がまず注目したのは、九州の景況感を示す指標の推移である。景気ウォッチャー調査は、百貨店やスーパーの店員、タクシー運転手など、顧客と直接接する立場の人々から景況感をヒアリングするもので、「日本最速の景気動向データ」とも言われる。九州には約210名のウォッチャーが存在する。
その調査によると、九州の景況感は全国と比較して鈍化傾向にあるという。コロナ禍明けの2022年は、全国の景況感を上回った月が11ヶ月あり「11勝1敗」と絶好調だった。しかし、2023年は「9勝3敗」、そして今年は11月までの時点で「6勝5敗」と、その差は着実に縮小。かつて全国をリードしていた勢いに陰りが見え始めている状況だと分析した。
景気悪化の懸念、背景に中国問題
では、なぜ景況感が伸び悩んでいるのか。鳥丸氏は、調査でウォッチャーから寄せられた生の声にそのヒントがあると語る。3ヶ月先の見通しについて「景気はやや悪くなる」と回答したウォッチャーのコメントには、共通した懸念が指摘されていた。
それは中国との関係悪化による影響だ。旅行代理店の責任者からは「中国からのインバウンドや交流が冷え込むことが懸念される」、テーマパークの職員からは「特に旧正月、春節ですね。来年は年明け2月中旬9連休になるかと思いますけれども、特に旧正月の影響が大きいと予想される」といった声が上がっている。
家電量販店やレストランからも同様に、インバウンド需要の減少を危惧するコメントが並び、九州経済における中国の存在感の大きさを物語る結果となった。
中国の経済大国化と九州への影響
鳥丸氏は、この問題を理解するために、22年前の2001年12月11日に起きた中国のWTO(世界貿易機関)加盟という歴史的な出来事に話を遡らせた。当時、中国のGDPは日本の4分の1に過ぎなかったが、WTO加盟を機に「世界の工場」として急成長を遂げたのである。2010年には日本のGDPを抜き去り、今や「世界の市場」へと変貌。昨年のGDPは日本の4.7倍にまで達している。
この変化は九州経済に絶大な影響を与えた。四半世紀前の2000年、九州から中国への輸出額は約2700億円だったのに対し、アメリカへは約8100億円と、米国が圧倒的な貿易相手であった。
しかし昨年、中国への輸出額は2兆5000億円と実に9.3倍に膨れ上がり、アメリカへの輸出額(1兆7000億円)を大きく上回る最大の貿易パートナーとなった。鳥丸氏は、「九州経済に占める中国のポジションが端っこにいたのがど真ん中にシフトした」と表現し、好き嫌いに関わらず無視できない存在であることを強調した。
中国依存からの脱却と多角化の好機
一方で、現在の政治的な緊張関係は、経済に影を落としている。しかし鳥丸氏は、景気ウォッチャーの中にはこれを前向きに捉える声もあると指摘する。先行きを「今と変わらない」と見る層からは、「中国からのインバウンドの需要減は予測されるんだけど、中国以外のインバウンド需要だとか、国内の法人需要は堅調に推移するんじゃないか」といった冷静なコメントが寄せられている。
この状況を鳥丸氏は、関係修復までの時間を活用する好機と分析。「時間が解決してくれるまでの間は、内需の開拓に力を入れたり、BtoCだけじゃなくてBtoBにも力入れてみたり、あるいは中国以外のインバウンドを推進するための時間を当てたいっていうですね、そういった絶好のチャンス到来」と捉えることができると語る。
中国一辺倒のリスクを分散し、多角的なビジネス展開を進めるべきだという提言で締めくくった。
※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。