立川笑志、新作落語で現代社会の闇を風刺

2025年12月5日

落語家の立川笑志がパーソナリティを務めるラジオ番組「ラジオ演芸 金催亭」で、世の中の気になる話題を元に創作した「ニュースモール落語」が披露された。今回口演されたのは「エスカレーター歩かせない 当選坊の人 日給1万6000円」と題した一席。現代社会のルールと人間の本性を描いたミニ落語で、聴衆を唸らせている。

エスカレーター立ち止まりを巡る人間模様

物語の舞台は、とあるショッピングセンター。エスカレーターでの歩行をやめ、立ち止まりを促すという一風変わったアルバイトの採用試験が描かれる。バイトリーダーの渡辺によれば、6時間立ち続けるだけで日給6500円、隊長になれば1万6000円という好条件に多数の応募者が殺到。採用は隊長である渡辺の裁量一つという設定である。

最初の挑戦者は大学生の山田。背中に「エスカレーターは歩かず立ち止まりましょう」という看板を背負い、エスカレーターの右側に立つものの、急ぐ男性から「1000円やるからどいてくれ」と持ちかけられると、あっさり「どうもありがとうございます。どうぞお通りください」と道を開けてしまい、即不採用となった。

続くフリーターの相川は、強面の口調で中年女性と対峙。「誰がチンピラだよ、このばばあ」などと口論を繰り広げるも、らちが明かないと見るや「どうしても通りてえのかよ。よし、だったら5000円よこしな」と金銭を要求。結局、相手を通してしまう顛末で、こちらも不採用が告げられた。金に屈する人間の弱さをコミカルに描写した。

元会社員の悲哀が生んだ衝撃の結末

最後に登場したのは、66歳無職の高橋源太郎。彼は他の応募者とは一線を画す強い意志で試験に臨む。バイトリーダーから「後ろから来る人、通さないようにしてくださいね」と念を押されると、固い決意を見せた。

案の定、後ろから来た若い女性に道を譲るよう頼まれるが、高橋は断固として拒否。「お嬢さん、安全のためルールは守りましょう」と諭す彼の口から、これまでの会社員人生の悲哀が語られ始める。「会社一筋42年、真面目に働きました。悪い上司にミスの責任を負わされて、出世レースでは同期どころか後輩たちにもどんどん抜かれたんです」と、自身の不遇を吐露。

給料が半減され、年下の部下にあごで使われても耐え抜いた過去を明かし、「他人に譲ってばかりの人生はもうこりごりなんです。だからお嬢さん、この道は譲りません」と、このバイトに懸ける並々ならぬ思いをぶつける。

しかし、事態は思わぬ方向へ。女性が「私、お腹の具合悪くってトイレ行きたいんです」と切実に訴えるも、高橋は「我慢しろ!」と一喝。ついには「これはエスカレーターという名の社会、いや、人生そのものなんです」と独自の人生哲学を展開し、道を譲ることを頑なに拒み続けた。

結果、女性は間に合わず、その場で粗相をしてしまうという最悪の事態に。「訴えてやるからね」と泣き叫ぶ女性を前に、バイトリーダーが慌てふためく中、高橋は驚きの一言を発した。

女性が叫んだ「体調が悪い」という言葉を逆手に取り、「今、彼女が言ったでしょう。体調が悪いって。……全ては隊長、あなたの責任です」と、全ての責任をバイトリーダーになすりつけたのである。

落語後には一門の新年宴会開催も発表

狂気と悲哀が入り混じる見事な一席を終えた笑志は、アーカイブ音源であったことを明かしつつ、来年の告知へと移った。

2026年1月11日に、福岡県の「博多落語カフェ笑庵」にて、「立川笑志一門新年宴会」を開催するという。このイベントでは、弟子の立川笑九郎が一席、そして笑志が二席の落語を披露。終演後には、同会場でそのまま観客を交えた新年会を行うそうだ。

90分の飲み放題と軽食付きで、ファンと直接交流できる貴重な機会となる。新作落語でリスナーを唸らせた笑志が、今度はファンとの宴でどのような時間を提供するのか、期待が高まる。

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