立川生志の新作落語、故人が豪華乗り物で帰省
RKBラジオのポッドキャスト番組『立川生志のニュース落語』で、お盆の時期に合わせた新作が披露された。今回は「お盆になると家々に吊るされるミニカー」と題された一席。故人たちが現世に帰省するお盆を舞台に、奇想天外な乗り物が次々と登場するユニークな内容となっている。
故人たちが豪華な乗り物で現世へ
落語は、お盆の時期にあの世に集まった魂たちの会話から始まる。「子孫の顔が見られるのは、私たちが生きていた証ですからな」と、年に一度の帰省を心待ちにする魂たち。かつてはナスやキュウリで作った精霊馬で帰るのが常識だったが、現代ではその様子も大きく様変わりしたという。
そのきっかけとなったのが、「山形のとある地方が精霊馬の代わりにミニカーを吊るすということが世間に広まってからは、いろんな乗り物がこっちに迎えに来るようになりましたからね」という風習の変化。この設定を皮切りに、誰もが知る著名な故人たちの豪華で個性的な「お迎え」が次々と描写されていく。
漫画界の巨匠から文豪まで奇想天外な帰省劇
まず登場したのは、漫画界の巨匠・手塚治虫。迎えに来たのはまばゆいばかりの「火の鳥」だが、今年は酷暑のため熱すぎるという理由で、火の鳥が先導し、「手塚先生は鉄腕アトムの背中に乗ってお帰りになるっていう話です」と説明された。相方の魂が思わず「あっちぇんぶりけ」とピノコの名台詞で応じるなど、作品愛にあふれたやり取りが展開される。
さらに、松本零士は「宇宙海賊船アルカディア号」、主題歌を歌ったささきいさおは「宇宙戦艦ヤマト」で帰省。銀河鉄道999は宮沢賢治が乗っているため松本が譲ったという、作家同士の心温まるエピソードも盛り込まれている。
文豪たちも負けてはいない。川端康成は「特急踊り子号」、森鴎外は「高瀬舟」、井伏鱒二は「山椒魚」と、それぞれ自身の代表作にちなんだ乗り物で登場。中でも太宰治の帰省方法はひときわ異彩を放つ。「あの人はですね、太宰治先生のお迎えです。あの人がメロスですよ」「え、メロス? あ、走っておぶって帰るんですか?」という掛け合いは、会場の笑いを誘うシュールな光景だ。
財界大物や政治家も登場、オチは時事ネタ
物語はさらにスケールを広げ、財界の大物たちも登場する。松下幸之助がナショナルの自転車で帰ろうとしていたところ、「見るに見かねた本田さんが、一緒に後ろに乗っけてやるよっつって」と、本田宗一郎のバイクに相乗りするという、ライバルでありながらも垣間見える友情が描かれた。一方、田中角栄はロッキード社のトライスターで迎えられるという皮肉の効いた一幕も。
様々な著名人の帰省劇が繰り広げられた後、噺はいよいよオチへ。語り手の魂は毎年、国産の名車が迎えに来るのを楽しみにしており、今年はどんな車が来るかと胸を躍らせていた。しかし、現れたのはまさかのアメ車、キャデラックのリムジン。「なんで子孫の方、アメ車をよこしたんですかね?」との問いに対し、放たれた答えは「ああ、きっと、トランプ関税ですね」。現代の時事ネタで見事に話を締めくくった。
演目後にはアフタートークも行われ、来年1月10日に開催される落語会「第17回筑紫寄席」の告知にも言及。演者は「来年からまたこのコーナーやるのかなあ」とこぼしつつも、次回の創作落語への意欲をにじませていた。
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