坂本真綾、面接に悩むリスナーに温かい助言

歌手で声優の坂本真綾がパーソナリティを務めるラジオ番組「坂本真綾のビタミンM」（BAYFM）にて、リスナーからの切実な悩みに真摯に答える一幕があった。この日の放送では、面接がうまくいかず落ち込んでいるというリスナーからのメールが紹介された。

面接の悩みに「誰も期待してない」というおまじない

番組冒頭、「周りはできるのに自分にはできない」「人前で自分をアピールすることが何度やってもうまくいかない」というリスナーの悩みが読み上げられると、坂本は「みんな今、分かる、分かるって頷いて聞いてる人ばっかりだと思いますよ」と深く共感。

続けて「面接得意ですとか言う人あんまり見たことないけどね。特技、面接ですみたいな。嫌だよ、そんな人」とユーモアを交え、リスナーの心を和ませた。

さらに、面接官の視点に立ち、「緊張してるな、可愛いなってぐらいの感じで受け止めてるんじゃないのかな」と推察。表面的なアピールだけでなく、その奥にある人柄を見ようとしてくれているはずだと語りかけた。

自身も「緊張しい」だと明かす坂本は、うまくやりたいという思いが負のプレッシャーになると分析。「そもそも誰も期待してないし、みたいなプレッシャーがかからないおまじないを自分で見つけられるといいですね」と、ユニークながらも心の負担を軽くする具体的なアドバイスを送っている。

また、自身の気分の切り替え方として、とにかくよく寝ることや、部屋の掃除をすることも挙げた。

走り出せる一曲として人気の「さなぎ」

番組では「やる気が出る坂本真綾の1曲」という月間テーマでメールを募集しており、この日は複数のリスナーから「さなぎ」という楽曲が推薦された。

あるリスナーからは「初めてこの曲を聴いた時、私の脳内にいる私が走り出して、なんなら羽ばたき出しました」という熱烈な感想が寄せられた。

また、別のリスナーも「聴いていると体が軽くなり、まるで自分自身がどんどん覚醒し、生まれ変わっていくような感覚になります。『さあ、やるで！今日も頑張るで！』といつもやる気がみなぎり、元気になれる1曲です」とその魅力を力説。ファンの間で特別な一曲として愛されている様子がうかがえる。

追い込まれて書いた「さなぎ」の作詞秘話

これらの反響を受け、坂本は2015年にリリースされたアルバム「FOLLOW ME UP」に収録されている同曲の制作秘話を語った。作曲を手掛けた北川勝利氏について、「元気が出る曲はほとんど北川勝利さんが作ってる」「彼自身の性格と言いますか、性質がね、音楽って自然と出るものだと思う」と、その人柄が楽曲の持つ前向きなエネルギーの源泉になっているのではないかと分析した。

一方で、自身の作詞作業は非常に難航したことを告白。「非常にこれはもう書けなくて書けなくて、めちゃめちゃ時間がかかった記憶があるんでございます」と振り返る。

リスナーが「天才です」と絶賛した「私だけが私だけに従うことができる」という一節については、「どういう意味？って今自分で思いながら聞いてたんだけど、超意地っ張りというか」「追い込まれてたんで、そういう歌詞が出てきたのかなっていう気はします」と、当時の心境を赤裸々に明かした。

苦しみながらも自分を奮い立たせて絞り出した言葉だからこそ、多くの人の心を掴むのかもしれない。

30周年記念ライブ、次のグッズは「ぬいぐるみ？」

番組の後半では、30周年記念ライブの告知とともに、ライブグッズに関する話題も展開。過去のグッズ販売を振り返り、「反省しまして、あのアクスタがあんなに売れるってことが分かったので、流行りには乗った方がいいっぽいっていうことが分かった」と素直な胸の内を語った。

その上で、「次は何ですかね、ぬいぐるみですか？ぬい活的な。いらねえ。私が要らねえ。自分のぬいぐるみとかも全然いらないけど」とセルフツッコミを入れつつ、ファンに向けて「今こういうの流行ってますよとか、何かあればね、ちょっと聞かせてもらったら参考にできるかも」とアイデアを募り、ファンとの交流を大切にする姿勢を見せていた。