坂本真綾、上白石萌音とのWキャストで芽生えた絆を告白

歌手で声優の坂本真綾がパーソナリティを務めるラジオ番組『坂本真綾のビタミンM』（BAYFM）で自身の近況に言及。5年ぶりに出演するミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』の稽古に励む中での、特別な心境の変化を語った。

5年ぶりの舞台、Wキャストに新鮮な感触

番組冒頭、自身の楽曲『でこぼこマーチ（隊列は君に続く）』に背中を押されるというリスナーからのメールをきっかけに、坂本は自身の近況について語り始めた。

12月から公演が始まるミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』は、2012年の初演から長年携わってきた作品だが、坂本自身の出演は5年ぶりとなる。劇中にある「多めに見てください」というセリフを引用し、「本当に5年ぶりなんですよ。『多めに見てください』って思いながら稽古してきました」と、ユーモアを交えつつ現在の心境を吐露。

今回は自身が演じるジルーシャ役が、上白石萌音とのダブルキャストになることを報告。「初めて私のやっているジルーシャという役がダブルキャストという形での公演になるので、そういう意味では、なんか本当に新鮮に新しいものに取り組んでいるような感触も味わいながら、チームで前に進んでいるところです」と、新たな挑戦への確かな手応えを語っている。

今の心境に重なる一曲『シンク』

番組の月間テーマ「まるまるな坂本真綾の一曲」では、坂本自身が「今の私にぴったりの曲」として、アルバム『デュエッツ』に収録されているLa La Larksの内村友美とのデュエット曲『シンク』を選んだ。

この楽曲は、ステージに立つ前の孤独感や不安について内村と語り合った経験から生まれたという。坂本は、「その場所に立つのは私一人じゃないですか。だから誰にも代わってもらえないし、誰も本当の意味では私の感じていること、私のいろんな気持ちっていうのはわからないと思うと、すごいこう孤独に思える」と、フロントに立つ者ならではの苦悩を明かした。そうした思いを元に共作した歌詞には「戦ってるのは自分だけじゃない」というメッセージが込められており、現在の自身の状況と強くリンクすると説明した。

上白石萌音との間に芽生えた「不思議な絆」

『シンク』のテーマが、まさに『ダディ・ロング・レッグズ』で同じ役を演じる上白石との関係性に重なるという。これまで長年一人で演じてきたジルーシャ役について、「今まで日本でジルーシャ役やった人、私しかいなかったから、誰とも共有できなかった何かが萌音ちゃんとは共有できるようになった」と、特別な心強さが生まれたことを告白。

ダブルキャストというと、互いに切磋琢磨するライバルというイメージも強いが、坂本はそれとは違う感情を抱いているようだ。プレッシャーを感じるよりも、「お互いに今日本で、このジルーシャ役分かり合えるの二人だけっていう、なんかすごく不思議な絆を感じていて」と、唯一無二の仲間と出会えた喜びを滲ませた。この関係性は坂本に新たなインスピレーションも与えているようで、「心の中では、ゆみちゃんバージョンはもう永遠に残るものですけれども、ああ、萌音ちゃんとデュエットしたらどうなるんだろうとか妄想したりしています」と微笑ましい一面も見せた。

完璧な準備で挑む年末の舞台と子育て

番組後半では、12月を「ミュージカルの本番と子育て」に全力を注ぐ期間と位置付けていることを明言。そのために、年末年始に関わる雑務は10月のうちに全て終わらせたという徹底ぶりを披露した。

姪へのクリスマスケーキの予約は早割で済ませ、ティッシュや洗剤といった日用品も「もう年内これだけあれば大丈夫」という量をストック。さらにはファンクラブ向けの年賀状デザインも決定済みと、その計画性は完璧である。「私の中ではもう、年は越せます」と力強く宣言した。

万全の準備を整え、心身ともに充実した状態で年末の舞台に臨む坂本。公私にわたるプロフェッショナルな姿勢が垣間見える放送となった。