国連ハビタット石垣氏、アジアの居住問題と支援のリアルを語る
RKBアナウンサーの下田文代がパーソナリティを務める番組『下田文代 リーダーズストーリー』に、国際連合人間居住計画(国連ハビタット)アジア太平洋地域統括 福岡本部で本部長を務める石垣和子氏がゲストとして登場。アジア太平洋地域における深刻な居住問題の現状と、人々の自立を促す支援活動のリアルについて詳細に語った。
アジア太平洋を統括する国連機関
番組冒頭、石垣氏は国連ハビタットの役割について、「住宅問題ですとか、まちづくりに取り組む専門の国連機関」であると説明した。本部はケニアのナイロビに置かれ、石垣氏が本部長を務める福岡本部は、アジア太平洋地域を統括する重要な拠点。アジア太平洋を対象とする国連の統括組織が日本に存在するのは、この国連ハビタット福岡本部のみであるという。
その管轄範囲は広大で、「西はイランまで、東は太平洋、北はモンゴル、で、南はオーストラリアの辺りまで」に及ぶと明かし、福岡からアジア太平洋全域のプロジェクトを推進していることが語られた。
劣悪な環境に暮らす人々の現実
アジア地域が抱える住まいの問題について、石垣氏は人口の急拡大にインフラや住宅の整備が追いついていない現状を指摘。「スラムだとか、非常に劣悪な住宅環境の中で過ごされている方が非常に多い」という問題があると語る。劣悪な住環境は病気の蔓延や教育機会の損失といった二次的な問題にも波及する。
さらに、貧困だけでなく紛争や、「自然災害、あるいは気候変動などの影響によっても、住居の立ち退きを余儀なくされているという方が非常に増えてます」と、問題が複合的かつ深刻化している状況を説明。世界では今、多くの人々が安全な住まいを失う危機に直面しているのだ。
住民の自立を促した支援プロジェクト
石垣氏はこの夏、タイ、フィリピン、インドなどを訪問したと明かし、特に印象的だったフィリピンでの事例を挙げた。そこでは、社会的に疎外されてきた歴史を持つ少数民族が、海の上に掘っ立て小屋のような住居を建てて暮らしていたという。「本当にこう狭い住居でですね、たくさんの子供たちも含めて、寄せ集まって住んでいる」という過酷な現実があった。
このコミュニティが台風で大きな被害を受けたことをきっかけに、ハビタットは住宅再建プロジェクトに着手。単に新しい住居を提供するのではなく、現地の伝統技術を活かしつつ、「もう少しこう災害に強い構造にしまして、住宅を整備していった」と、持続可能な支援の形を模索したことを明かした。
「読み書きを学び始めた」リーダー
このプロジェクトがもたらした最も大きな成果は、住民たちの心に自立の意識が芽生えたことだった。支援は住民参加型で進められ、彼ら自身が自治体の役人との交渉にも加わったという。
その過程で、コミュニティのリーダーに驚くべき変化が起きた。「それまで文字とか書いたり読んだりできなかったんですけれども、やっぱり交渉する上では自分たちが読み書きができることが必要だということで、言葉を習い始めたんですね」と、石垣氏は感動的なエピソードを披露。
この出来事に、「すごく素晴らしいことだなと思って」と感慨を述べた石垣氏。「一番大事なのはそういう人というかコミュニティ、人間の能力をもっとこう支えていけるような、そういう支援になっていくっていうのが大事だなという風に思いました」と、活動の核心にある哲学を力強く語った。
そして、私たちにできることとして「まずは知っていただく。で、そして少しでも、自分ごととして考えていただく、そしてそれを広めていただく」ことの重要性を訴えた。
国際会議の場では「見渡す限り日本人は私だけっていうことはしょっちゅう」という現実がある中で、「日本人の、しかも女性としてですね、様々なこうスピーチの機会をいただけるというのは、非常にこう貴重なことだと思います」と、リーダーとしての誇りを覗かせていた。
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