谷口真由美氏、将棋・福間六冠の不戦敗問題で社会に警鐘

2025年12月15日

法学者の谷口真由美氏がラジオ番組に出演し、将棋の福間香奈女流六冠が妊娠・出産を理由にタイトル戦で不戦敗となる規定について会見を開いたニュースを解説。その背景に潜む、働く女性と社会の間に横たわる根深い課題を鋭く指摘した。

妊娠による不戦敗規定の問題点

福間女流六冠は、妊娠によって出産予定日の前後に組まれたタイトル戦に出場できず、事実上の不戦敗でタイトルを失う可能性がある現状について会見を開いた。谷口氏は、この問題の根源として日本将棋連盟の規定に言及する。

2025年4月から施行された同規定では、出産予定日の産前6週間・産後8週間の期間にタイトル戦の日程が重なる場合、タイトル保持者であっても対局者が変更される、つまり不戦敗扱いになるという。

谷口氏は、この規定が「本人の体調とか意思に関わらず、画一的に適用される」点だと問題視。労働基準法で定められた産休が根拠となっているものの、労基法では産前休業は本人が希望すれば働くことが可能だ。しかし、将棋連盟の規定は一律に対局を禁じており、より厳しいものとなっていると解説した。

連盟の迅速な対応と社会の声

福間氏は昨年の12月の時点で、連盟に対し産前産後のタイトル戦の日程変更や不戦敗回避を要望していたが、その声はほとんど反映されなかったという経緯があった。この問題に対し、社会の一部からは「女流棋士という制度自体が優遇されているのに」といった批判的な声も上がっている。

しかし谷口氏は、こうした意見に「そもそも男性は妊娠出産によるキャリア中断のリスクがないので、条件はそもそも平等ではないですよね」と真っ向から反論し、男女で前提条件が全く異なるとの考えを示した。

一方、会見を受けて日本将棋連盟は異例の速さで声明を発表。「福間六冠に不安を抱かせてしまったことに対して心よりお詫び申し上げる」と謝罪し、専門家の見解を参考に柔軟な仕組みを検討していることを明かしている。この連盟の対応を、谷口氏は「早かったと思います」と評価するに至った。

専門家が語る「リプロダクティブ権」

谷口氏は、この問題が将棋界に留まらず、「働く女性全体にとってキャリアと出産の両立は難しいんだということを、未だ難しいことであるということを突きつけた問題である」と断言。自身の専門分野でもある「リプロダクティブ権(ライツ)」という概念を用いて問題をさらに深く解説した。

リプロダクティブ権とは、性と生殖に関する権利のことであり、「個人とカップルが子供を産むか産まないか、産むならどういう時期にどんな方法で産むかを決めることができる権利」を指す。谷口氏は、今回の福間氏のケースは、まさに「産むかタイトルを諦めるかっていう二者択一を迫られたってことなんです」と分析。個人の自己決定権が尊重されていない状況の典型例であるとした。

少子化対策と社会の矛盾

さらに谷口氏は、国が「異次元の少子化対策」を掲げ、出産を強く推奨している現状との矛盾を鋭く指摘する。少子化社会対策基本法には「我々は紛れもなく有史以来未曾有の危機事態に直面している」とまで記して出産を促す一方で、現実は産もうとする女性がキャリア上の不利益を被る。

谷口氏は「社会は一方で産んでほしいっていうアクセルをぐわっと踏んでおいて、実際にその産む時のある障壁が業界業界で出てきた時に主張すると、『なんやあいつ、わがままやな』みたいな話とかになる」と、社会に存在する大きなねじれを批判。

過去には衆議院議員が妊娠した際に「議員辞職すべきだ」といったバッシングがあったことを挙げ、「まあ冷たい社会ですよね、日本っていうのは」と吐露した。個人が安心して出産を選択、あるいは出産しないことを選択しても差別されない社会の実現が急務であると訴え、解説を締めくくった。

※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。

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