ポルノ・ハルイチ、盆栽の奥深い世界に驚愕「知らない世界」

ポルノグラフィティの新藤晴一がパーソナリティを務めるラジオ番組『カフェイン11』（BAYFM）で、自身の新プロジェクト「種、水、果実」にちなみ「盆栽」が特集された。当初は「年寄りがなんか暇つぶしにやってるみたいなイメージ」と語っていたハルイチだったが、専門家から語られるその奥深い世界に、終始驚きを隠せない放送となった。

年寄りの暇つぶしから芸術の世界へ

この日のゲストは、盆栽メディア「盆栽Q」を運営する田口真人氏と、盆栽園「東樹園」の三代目である廣田敢太氏。ハルイチが持つ「波平さんが庭でやってて、カツオがボールぶつけて割って、超怒られる」というイメージに対し、廣田氏は盆栽の本質を「自然の縮図をこの鉢の中に表すんです」と説明する。

さらに、「この木がどういう環境にあって、どういう人生を歩んできたからこういう形になったよねっていうのを、僕ら想像して作るんですよ。そこが面白さかなと思っていて」と、その創造性を語った。

田口氏も「正面から見た時のその空間の作り方」「先代からこう脈々と続いてるみたいなところに、やっぱロマンがあったりとか」と魅力を述べ、ハルイチの固定観念を覆していった。

数百万の価値が一瞬でゼロになる世界

ハルイチが「波平さんがちょきちょき切ってるやつ」と表現した剪定作業についても、その重要性が明かされた。廣田氏は、幹を太く見せるために葉の広がりをコンパクトに抑える作業だと解説し、「じゃないと価値が一気に下がってしまう」と断言する。

盆栽には数百万円の値がつくものもあるが、数年間手入れを怠ると数万円に暴落することもあるという。廣田氏は、「夏だったら1日3回ぐらい水やるんですけど、その3回のうち1回でも忘れてたら全部枯れちゃうので、その数百万は0になります」と、その過酷な世界を語った。

これにはハルイチも「きゃあ、そういう世界」と絶句。磯野家の日常風景に「ていうことはやっぱフネもやるんだね、水きっとね。波平さんが会社行っとるけえね」と想像を巡らせる一幕もあった。

ガンプラにも通じる？想像力の芸術

盆栽の芸術性は、単なる手入れに留まらない。廣田氏は、構図の基本として「不等辺三角形を作るといい」と明かし、「一辺が長い方に風がこう流れてるように見える」と、形に意味を持たせる技法を解説した。

さらに、ハルイチが「僕らの時、ガンダムのプラモデル作ってたんです。それに汚しを入れる時、線香で弾丸の跡とかやるんですけど」と例えを出すと、廣田氏は「プラモデルと一緒です」と応じ、厳しい環境を表現するために「あえて枯らすこともある」と衝撃の事実を告白。

「これは左から強い風が当たってるので、こっちはやっぱりその塩害だとか、その風雪によって枝が枯れてしまった。けど、こっちは太い幹に守られてるから、枝が残るんですよね」という解説に、ハルイチは深く頷く。まさに想像力の芸術である。

"BONSAI"は世界へ！文化の継承と進化

樹齢50年、100年を超える盆栽は、持ち主が亡くなった後も次の世代に引き継がれる文化だという。前の持ち主がどのような意図でその形にしたのかを想像し、対話するように手入れを重ねていくのだ。

「前の人はこうやってたけど、いや俺はこっちの方がいいと思うって思ったら、それに針金をかけて強制していくこともできるんです」と廣田氏が語ると、ハルイチもその関係性をヴィンテージギターに重ね合わせ、深く納得した様子を見せた。

また、"BONSAI"は世界共通語となっており、ヨーロッパやアジアでも熱狂的なコミュニティが存在する現状も紹介されるなど、ハルイチは自身がまだ知らない世界の深さに「すげえな」「知らんな、本当に」と感嘆の声を漏らし続けていた。