ウクライナ停戦は絶望的か 専門家が語る衝撃の未来

Podcast番組「よなおし堂・今週のフカボリ」で、長期化するウクライナ戦争の行方について取り上げた。アメリカのトランプ政権が仲介役として和平案を作成し、戦争終結に向けた協議を加速させていると報じられる中、番組では外交安全保障を専門とする明海大学の小谷哲男教授をゲストに迎え、その見通しを深掘りしている。

パーソナリティがクリスマスまでの停戦実現への期待を口にするも、専門家からは厳しい現実が語られた。

専門家が断言「停戦の可能性は極めて低い」

番組パーソナリティの仲谷一志から停戦合意の可能性を問われた小谷教授は、議論の冒頭から「極めて低いと言わざるを得ないと思います」と極めて悲観的な見解を提示。

その最大の理由として、停戦にむけたウクライナ側とロシア側の条件が「ほぼ180度違う」ことを挙げた。アメリカが仲介に入り、ロシアと協議すればロシア寄りの案に、ウクライナやヨーロッパと協議すればそちらに寄った案になり、元々の両者の立場がかけ離れているため、一方が飲める案はもう一方が決して飲めないという構造的な問題が存在すると分析する。

このため、今後も協議は断続的に行われるものの、それが実際の停戦に繋がる可能性は限りなく低いとの見方を示した。

ロシアは国際法を守らない？仲介の困難さ

なぜ両国の溝はこれほどまでに深いのか。小谷教授は、プーチン大統領が「ゼレンスキー大統領は正当な大統領ではないと。つまり交渉の相手ではないということを繰り返し言っています」という姿勢を崩していない点を指摘。

さらに、プーチン大統領の根底には「ウクライナという国は存在しないんだ」という認識があり、ロシアの一方的な条件を飲むべきだという立場のため、首脳同士の直接対話による解決はあり得ないと断言した。

また、ヨーロッパ諸国による仲介も、完全にウクライナ側に立っているため、ロシアから見れば中立な仲介者として受け入れられず、機能しないのが現状だという。

小谷教授は、そもそもロシアという国家の体質に言及し、「国際法を破るのが当たり前だと思っている国ですので」と解説。実際に「2014年以降ですね、何度も停戦合意をしたんですけども、これもことごとくロシアが破っているんですね」と過去の事実を挙げ、ロシアが合意を遵守することは考えられないと語った。

衝撃の予測「どちらかが戦えなくなるまで続く」

では、この戦争はどこで決着するのかという問いに対し、小谷教授は「このままいけば停戦はなかなか難しいでしょうから、消耗戦になっていって、ウクライナとロシアのその国力の勝負になってくると思います」という衝撃的な予測を披露した。現在は中国や北朝鮮の支援を受けるロシアが有利な部分もあるが、今後欧米がウクライナへの全面支援を強化すれば、ロシアが継戦を断念する可能性もゼロではないという。

この「どちらかが戦えなくなるまで終わらない」というシナリオは、日本にも無関係ではない。エネルギーや食料価格の高騰といった経済的影響に加え、国連安保理の常任理事国であるロシアが国際法を破る前例を作ることが「国際法のその信頼性というのが揺らいでいるということも、日本にとって影響が出てくる問題になる」と警鐘を鳴らした。

この専門家の厳しい分析を受け、番組パーソナリティは「どちらかが戦えなくなるまで続くっていうのは、ちょっとショッキングですね」と絶句。戦争の長期化で報道が減っている現状に「僕ほんと怖いことだなと思いました」と危機感をあらわにするなど、リスナーに改めてこの戦争の重みを突きつける放送となった。