iPhoneの牙城崩れるか？AirDropがAndroidに解放の衝撃

テック系Podcast番組で、iPhoneのファイル共有機能「AirDrop」がAndroidスマートフォンとの間で相互に利用可能になったというニュースが取り上げられた。これはAppleが公式に仕様を公開したのではなく、Googleが独自に実装したものであり、その背景や今後の市場への影響について活発な議論が繰り広げられた。

AirDrop解放の衝撃とGoogleの思惑

番組冒頭、「ついにですね、iPhoneが解放されました」という衝撃的な一言からトークは始まった。Googleが11月20日頃、これまでApple製品間でしか利用できなかったファイル共有機能「AirDrop」が、Androidスマートフォンと相互に転送可能になったと発表。しかし、現在の対応機種はGoogleの最新モデル「Pixel 10」のみに限定されている。

AirDropは、「高校生たちがiPhoneを使うのはAirDropがあるからだ」と言われるほど、iPhoneの強力な独自機能としてユーザーを惹きつけてきた。その牙城が、ライバルであるGoogleによって開かれた形だ。

パーソナリティは、この状況を「Appleは何もしてなくて、Googleが対応した結果、AirDropが解放されたように見えるっていう、ちょっといびつなというか、不思議な構造」と分析する。

このGoogleの「やんちゃ」な動きの背景には、EUのデジタル市場法（DMA）など、巨大IT企業にサービスの相互運用性を求める世界的な法規制の潮流があると推察された。Appleがセキュリティを理由に機能を閉ざしづらい状況を見計らい、Googleが攻勢を仕掛けたのではないか、という見方である。

「こういうのって、やんちゃと言ったらやんちゃじゃないですか、やってることは。勝手に実装しちゃいましたみたいなのって、ここ最近、割とそういうの見なかったなと思って」と、久しぶりの巨人同士の攻防に面白さを見出していた。

使い勝手の現状と今後の期待

現状の使い勝手にはまだ制約があるようだ。連絡先を交換している相手だけに共有するモードには対応しておらず、ユーザーは「10分間全員に公開」というモードに設定変更する必要があるという。しかし、頻繁に利用するユーザー層はもともとこの設定で使っている可能性が高いとされ、大きな障害にはならないかもしれない。

また、Androidの「クイック共有」は、過去に問題となった「AirDrop痴漢」のような迷惑行為を防ぐため、受信前に承認フローを挟むなどセキュリティが強化されている点も紹介された。

法規制の圧力がある中でAppleがこの機能を閉じることは考えにくく、今後はPixelの旧モデルや他のAndroid端末へも機能が展開されていくことへの期待が語られた。

iPhoneユーザーにとっても、「相手がいちいちAndroidかどうかチェックするの面倒くさいし。できるようになると、これできないことがおかしいだろうって思うんですよね、お互いにとって」と、プラットフォームを超えた利便性向上を歓迎する声が上がった。

Android移行を阻む「LINEの壁」

話題はさらに、iPhoneからAndroidへの乗り換えを阻む他の要因へと展開。AirDropと並ぶ大きな障壁として、「LINEのトーク履歴移行問題」と「スマホケースの種類の少なさ」が挙げられた。

特にLINEは、異なるOS間での機種変更時に直近14日間のトーク履歴しか引き継げないという長年の課題を抱えている。これには「なんなんだよ、LINEって。これほんとさ、そろそろ、10年も20年もこう、強いるのはちょっとおかしいなと思って」と強い口調で問題点を指摘。

解決策として月額制サービス「LYPプレミアム」への加入が示唆されたものの、国民的アプリがユーザーに不便を強いている現状への疑問が呈された。

この問題に対し、ソフトバンクやY!mobileがLYPプレミアムを絡めた乗り換えキャンペーンを展開すれば、Androidへの移行を後押しする大きな一手になるのではないか、という具体的な提案も飛び出した。

今回のGoogleの動きは、単なる機能対応に留まらず、スマートフォン市場の勢力図を塗り替えるきっかけとなるかもしれない。