西鉄担当者、バスの完全キャッシュレス化を語る

2025年11月20日

KBCラジオのポッドキャスト番組『金子哲也 バス語り記』にて、バス交通の未来を展望する「どうなる?次世代モビリティ」特集が組まれた。ゲストには西日本鉄道株式会社で未来モビリティ部長を務める日髙悟氏と、バス路線探検家の沖浜貴彦氏が登場。バス業界が直面する課題と、その解決策として描く未来像が、現場の最前線に立つ担当者の口から具体的に語られた。

AIが学習するオンデマンドバス

番組ではまず、西鉄グループのネクスト・モビリティ社が展開するAIオンデマンドバス「のるーと」が話題の中心となった。日髙氏によると、これは「お客様のリクエストに応じて、時刻や経路を自由に走るバス」であり、利用者がアプリや電話で乗車をリクエストすると、AIが最適なルートを算出して迎えに来る仕組みである。

特筆すべきは、AIが学習能力を持つ点だ。日髙氏は「一度ですね、走ったルートを何月何日の何曜日何時頃はこのルートで何分ぐらいで走ったっていうのをどんどん覚えていくんです」と解説。

データを蓄積することでAIは賢くなり、より正確な到着予測が可能になるという。「使えば使うほど、皆さん乗っていただければ乗っていただくほど、その正確さは増していく」と語り、利用者と共に成長する交通システムであることを強調した。

人口増の町で活きる「攻めの導入」

AIオンデマンドバスは、これまで「赤字路線の代替」という守りのイメージが強かった。しかし、福岡県の糟屋町では人口増加を背景に、利便性向上のための「攻めの導入」が実現したという。これにはバス路線探検家の沖浜氏も「今まで走ってくれてた路線が無くならないと、そういうのが導入されないみたいな勘違いがあったんですけど、すごく攻めの姿勢」と感心しきりだ。

この「攻め」の姿勢は、深刻化する運転士不足問題への解決策という側面も持つ。norutoで使われる車両は普通二種免許で運転できるため、大型二種免許の保持者に比べて担い手の裾野が格段に広がる。

日髙氏は「大きいバス運転するのがしんどくなったとか、もう年金をちょっともらえるようになったので、そこまでフルで働かなくてもいいよとか、そういった理由でですね、バスの運転を離れていく方が結構いらっしゃるんですよ」とベテラン運転士の現状を説明。

そうした人々が「この仕事だったら続けるよって言ってくださる」と、新たな働き方の受け皿としても機能している実態を明かした。

「現金ではバスに乗れない世界が来る」

番組のクライマックスは、バスの完全キャッシュレス化に関する議論であった。日髙氏は自身が最も力を入れている取り組みとして「キャッシュレス関係」を挙げ、続けて衝撃的な未来像を口にした。「申し訳ないですけども、現金ではバスにはもう乗れませんよっていう世界がその次に来るのかなと思ってます」。

この発言の背景には、現金管理に伴う膨大なコストと手間が存在する。日髙氏は「結局金庫に集まって、それを運転士さんが営業所に持って帰ってきて、営業所でそれを精算して…銀行に納めするみたいな」と、一連の煩雑な作業を列挙。

沖浜氏が「リアルに現場におられる方だと、やっぱこう重みが違うな、言葉の」と漏らすほど、その説明には説得力があった。さらに、バックヤードの人手不足も深刻で、紙の乗車券の枚数を手で数えるといったアナログな作業は「もうやりたくてもやれないようになってくると思うんですよ」と、デジタル化が不可避であることを訴えた。

もちろん、高齢者や子供などへの配慮は必要としながらも、クレジットカードのタッチ決済やQRコード決済など複数の選択肢を用意することで、誰もが利用しやすい環境を整えていく方針だ。

高校の同級生でもある沖浜氏は、熱く未来を語る日髙氏の姿に「なんかほんと未来見据えてるって、ちょっとあの尊敬を新たにする感じですね」と感嘆。

番組ホストの金子哲也ディレクターも「アッと驚くような、またこの公共交通の仕組みっていうのが何かこうできてくるんじゃないか」と期待を寄せ、バス交通が迎える大きな変革期を予感させていた。

※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。