坂本真綾、早朝5時起き生活とコロナ禍での楽曲秘話を語る

声優、歌手として活躍する坂本真綾がパーソナリティを務めるラジオ番組『坂本真綾のビタミンM』にて、自身のライフスタイルや楽曲制作にまつわる秘話を明かした。リスナーからのメールをきっかけに、子育て中の朝の過ごし方から、コロナ禍で楽曲への思いが変化したエピソードまで、多岐にわたるトークが繰り広げられた。

早朝5時起き生活を告白

番組冒頭、リスナーからの「朝、布団から出るのが億劫です。パッと起きられる方ですか？」というメールを紹介。これに対し坂本は「どちらかというとパッと起きられるタイプかな」と回答し、子育てが始まってから生活が一変し、起床時間が朝の5時台になったことを告白した。

今の季節はまだ真っ暗だといい、「世界中がまだ寝静まっているような気になって孤独を感じたりもします」と、冬の早朝ならではの心境を吐露。

しかし、その対策として今年から窓辺に星形の照明を飾っているそうで、「朝起きると、そこにまだ電気がついていて、星が出迎えてくれるので、寂しくないというか、素敵なお目覚めができるようになってきました」と、微笑ましい日課を紹介した。早朝は自分のための貴重な時間であるとし、リスナーにも気分が上がる方法を見つけてほしいとエールを送った。

故・渡辺善太郎氏との思い出

番組では、自身の30周年記念ベストアルバム『M30 YOUR BEST』から『サンシャイン』をオンエア。この曲は、坂本自身が作詞作曲し、故・渡辺善太郎氏が編曲を手掛けた一曲である。

坂本は、自身が初めて全曲の作詞作曲に挑んだアルバム『シンガーソングライター』制作時、渡辺氏と共にマスタリング作業に臨んだ日のことを回想。「お互いに何も言わず黙ってこの1枚を頭からお尻まで一緒に最高の音質で聴いたあの時間っていうのは印象に残っています」と、クリエイター同士が音と真摯に向き合った、かけがえのない時間を感慨深く振り返った。

コロナ禍で意味を変えた楽曲

番組の月間テーマ「走り出せそうな坂本真綾の1曲」に寄せられたメールを紹介するコーナーでは、楽曲『クローバー』にまつわるトークが特に熱を帯びた。

ファンから「コロナ禍の春、大切な人に会えず、この曲を聴いて励まされていました」というメールが届くと、坂本も深く共感した様子を見せる。

この曲はもともとアニメの主題歌としてコロナ禍以前に制作されており、坂本は当時を振り返り、「いやあ、この歳になってこの可愛いのは大丈夫かな、似合ってるかなとかちょっと思いながらの制作だったんですね」と、少し気恥ずかしさもあったと正直な心境を明かした。

しかし、リリースが世の中の閉塞感漂う時期と重なったことで、楽曲の持つ意味合いが大きく変わったという。「精神的には、『それでも朝は来る』っていう本当にシンプルなテーマをこの時期ほど噛みしめたことはないっていう感じで、なぜかこうタイミングが合致してしまって、作った時以上に配信になった時、私もより好きになった曲ですね」と、楽曲との運命的な巡り合わせを熱く語った。

自身が実践するデジタルデトックス

番組後半では、ファンからの「旅行先で3日間デジタルデトックスをしたら、メンタルが回復した」というメールを紹介。これに対し坂本は、自身も「半分デジタルデトックス生活」を送っていると明かす。

子育てのため、夕方から翌朝までは物理的にスマートフォンを見られない時間が多いことがその理由。さらに、寝室にスマホを持ち込まないことを実践していると語り、「寝ている枕のそばに、音はしなくても、何かを受信し続けてる機械があるってどうなんだろうと思って」と、その意図を説明した。

心身の健康を保つための工夫を明かし、リスナーにも「お正月とかどうですかね」と、休暇中のデジタルデトックスを優しく勧めていた。