Netflix『イクサガミ』、ドラマ版と漫画版の相違点を徹底比較

Podcast番組『マンガ760』にて、Netflixで世界的な人気を博しているドラマ『イクサガミ』が特集された。パーソナリティの佐島氏とにわ氏が、実写ドラマ版と漫画版を比較し、それぞれの魅力や設定の違いについて熱のこもったトークを繰り広げた。

ドラマ版と漫画版で異なる主人公像

まず話題の中心となったのは、岡田准一が演じる主人公・嵯峨愁二郎の人物像の違いである。佐島氏は、ドラマ版の愁二郎について「ドラマの方が重いもん背負ってる感じするんすよね」と指摘。

作中では、伝染病「コロリ」で子供を亡くし、故郷の村人をも救うために戦いに身を投じるという重厚な背景が与えられている。そのため、戦いに対してためらいを見せるシリアスなキャラクターとして描出されているのだ。

一方、漫画版の愁二郎についてにわ氏は、「すごいあの愁二郎がヒーローみたいな存在やなと思いながら読んでた」と印象を語る。家族を救うという動機は共通しているものの、より王道漫画の主人公らしい快活なヒーローとして描かれており、両者の雰囲気は大きく異なると分析した。

豪華キャスト集結も「ここで終わり！？」

ドラマ版の魅力の一つとして、豪華な俳優陣が挙げられた。主演の岡田に加え、阿部寛、山田孝之、玉木宏といった錚々たる顔ぶれに、佐島氏は「もうなんかアベンジャーズみたいになってるやん」と興奮を隠せない様子。特に、岡田が自身の小中学校の先輩であるという個人的な繋がりも明かし、一方的な親近感を語る一幕もあった。

しかし、その豪華さゆえの驚きもあったという。物語序盤で山田孝之や玉木宏が演じる重要人物があっさりと退場する展開には、「山田孝之出てきたのにここで終わりって思った」「玉木宏もここで終わりか、ギャラ高いんかなって思いながら見てたよ」と、その贅沢な起用法に思わずツッコミを入れる場面も見られた。

アクションと物語展開の大きな違い

愁二郎の戦闘スタイルも、メディアによって表現が異なっている。漫画版では「空を舞ったりするしね」と語られるように、ダンスを彷彿とさせる華麗でファンタジー要素の強いアクションが特徴。それに対しドラマ版では、岡田の身体能力を活かした、よりリアルで渋い殺陣が追求されている。佐島氏は「ほんまに殺陣をやってるっていう感じ」と、その本格的なアクションを絶賛する。

さらに物語の根幹に関わる違いとして、愁二郎の戦いへのスタンスが挙げられる。漫画版では登場人物の少女・双葉の影響で不殺を貫こうとするのに対し、ドラマ版では愁二郎が怒りから運営側の人間を斬り殺すという衝撃的なシーンが存在する。にわ氏はこの展開に「いや、もうあのシーンは正直衝撃やった」と、漫画版を先に読んでいたからこその驚きを語った。

漫画版で明かされる「納得」の裏設定

トーク後半では、ドラマ版だけでは理解しきれなかった設定が、漫画版を読むことで腑に落ちたという話題で盛り上がりを見せた。特に注目されたのは、東出昌大が演じる関西弁の忍者キャラクターだ。

佐島氏はドラマ視聴時、その独特なイントネーションや、忍者らしからぬ高身長に「なんでなんやろうなってずっともてたんですよ」と疑問を抱いていたと告白。

しかし、漫画版のキャラクター設定に「忍者の割に身長が高いのを気にしている」という一文があったことを発見。佐島氏は、現代の俳優陣とのバランスを考えた上で「それ含めて189cmの東出さんはめちゃくちゃ合ってんやなと思って見てたんですよ」と、原作設定を汲んだ上での絶妙なキャスティングであったと納得の表情を見せた。

ドラマ版から漫画版へと読み進めることで、こうした深い発見があるのが本作の醍醐味だと締めくくっている。