Pii新アルバム『cycle』、YMOと明和電機との共通点
Podcast番組「ミラッキの帰り道ラジオ」にて、Awesome City Clubのボーカル・PORINによるソロプロジェクト「Pii」がリリースした最新アルバム『cycle』が特集された。番組パーソナリティのミラッキ氏が、同作の音楽的背景を独自の視点で深く掘り下げ、その魅力を熱弁。80年代のテクノポップからアートユニットまで、幅広いカルチャーを横断する鋭い分析が繰り広げられた。
YMOの『TECHNODELIC』を彷彿とさせるサウンド
番組冒頭、ミラッキ氏はPiiがリリースした8曲入り27分のアルバム『cycle』を取り上げ、「やっぱりサウンドが良いなと。音ですね、音の選び方、あとリズムですね」と、その完成度を称賛した。特に、打ち込みのリズムパターンに注目し、自身が敬愛するというYMO (YELLOW MAGIC ORCHESTRA) の影響を指摘する。
中でも、サンプリングを本格的に導入した1981年の名盤『TECHNODELIC』を彷彿とさせると熱弁。「『TECHNODELIC』が好きな方は、Piiさんのアルバム『cycle』は必聴。ぜひ押さえていただきたい1枚だなと思いました」と、YMOファンに向けて強く推薦した。
しかし、その評価は単なる懐古趣味によるものではない。ミラッキ氏は、『TECHNODELIC』自体が時代を超越した作品であると前置きした上で、「今回のこのPiiさんの『cycle』っていうアルバムも2025年のアルバムであり、またこれが20年後30年後聞いてもすっと入ってこれるアルバムになっているんじゃないかと」と分析。過去の名盤が持つ革新性を現代に受け継ぎ、未来にも聴き継がれる普遍的な魅力を持った作品であるとの見解を示した。
明和電機との意外な共通点も
分析はさらにディープな領域へと進んでいく。ミラッキ氏は、YMOだけでなく、自身が愛してやまないアートユニット・明和電機との共通点にも言及した。アルバム収録曲「あなたはアーティスト」で使われている鍵盤の音色について、「非常に幻想的というか、なんというか、これはもう全然個人の感想にはなりますけれども、郷愁があって幻想的でという音なんです」と表現。この音色が、明和電機の初期アルバム『魁 明和電機』に収録された「君はエプロン僕はパンタロン」で使われている音に酷似していると語った。
さらに、別の収録曲「もう最終回」では、リズムパターンや曲中に挿入される「『ポッ』みたいなね、愉快な音」が、明和電機のファーストアルバム『提供 明和電機』収録の「バレリーナ」と「近しいものがあるんですね」と指摘。YMOの洗礼を受けた世代である明和電機の土佐兄弟が作り出したサウンドと、Piiのサウンドが時を超えて共鳴している可能性を示唆し、「Piiさんはどういう感覚でこの音を選び、リズムを作っていったのか、お聞きしたいなと」と、作り手への好奇心をのぞかせている。
90年代J-POPを思わせる「シンカヨウキョク」
アルバム終盤の楽曲では、Piiのボーカルワークと90年代のJ-POPシーンとの関連性にも触れている。「SPIRITUAL」や表題曲「cycle」について、その淡々とした歌いまわしや声質、そしてシンセサイザーが織りなすサウンドスケープから、90年代後半に坂本龍一プロデュースで作品をリリースしていた頃の中谷美紀を思い出すと語った。
当時の中谷美紀の音楽を「決して90年代J-POPのシーンの真ん中には行かなかったんだけど、ちょっと特異なポップスとして少し注目された」と振り返り、Piiの楽曲が「そこを突いてきてるかのようなメロディー」であると分析した。Piiがプロジェクトのコンセプトとして掲げる「シンカヨウキョク」が、このアルバムで見事に結実していると評価し、「まさにそれは到達しているような、うん、見事に表現されているような気がしました」と感嘆の声を漏らす。
全体の総括として、本作はYMOの『TECHNODELIC』が持っていた実験性や遊び心と、Piiの優しく寄り添うような歌声が融合した傑作だと結論付けた。その世界観は、YMOのトリビュートライブで坂本美雨が「音楽」を歌った際のパフォーマンスにも通じるものがあると語り、「本当に好きな音に溢れているアルバムでした」という言葉で、この濃密な音楽談義を締めくくった。
※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。