法学者・谷口氏、3次会セクハラの労災認定に「画期的」
法学者の谷口真由美氏がラジオ番組に出演し、飲み会の3次会で起きたセクシャルハラスメントが日本で初めて労災認定された大阪地裁の判決について解説した。この判決が持つ社会的な意義と、今後のハラスメント問題に与える影響について専門家の視点から語っている。
3次会セクハラが初の労災認定
谷口氏が取り上げたのは、2025年12月15日に大阪地裁で下された注目の判決だ。会社の業務後に行われた飲み会の3次会で上司からセクハラを受け、適応障害を発症し休業を余儀なくされた30代の女性について、その休業が労働災害にあたると認定された。谷口氏は、2次会や3次会といった業務時間外の宴席でのセクハラが労災と認められたのは「日本で初めてです」と、その歴史的な意味を強調した。
これまでは、民事訴訟で会社の責任が認められたり、会社主催の懇親会(1次会)でのセクハラが労災認定されたりする例は存在していた。しかし、労働基準監督署の判断段階では、2次会以降は個人の自由意思による参加と見なされ、業務との関連性が否定されがちであった。
今回の事案は、有期雇用の女性が東京出張を命じられた際、業務後に開かれた懇親会に参加し、その後2次会、3次会へと流れた席で発生。3次会のガールズバーで、支社長から女性店員とのキスや身体接触を強要され、精神的な苦痛から適応障害を発病したというものだ。
従来の判断を覆した「新しい枠組み」
当初、労働基準監督署は「3次会の参加は個人の意思」として労災を認めなかった。しかし、今回の判決はこの判断を覆す画期的な論理構成を示したと谷口氏は指摘する。判決では、3次会への参加を「業務そのものではなく、プライベートな行為」と形式的には認めつつも、その実質に着目した。
谷口氏は、「これまでは業務か私的な行為かという二者択一しかなかった」と従来の司法判断の枠組みを説明。私的行為と判断されれば、事業主の支配下にないと切り捨てられていた。
しかし今回は、「形式的にはプライベートな行為であったとしても、中身、実質的な中身は事業主の支配下にあり得るという新しい枠組みを作ったこと」が、極めて大きなポイントだと解説する。業務そのものではなくとも、業務の延長線上にある行為として捉える新たな視点が示されたのである。
断れない構造と雇用形態への配慮
判決が「実質的な支配下」を認めた背景には、複数の重要な事実があった。被害女性は出張に際し、支社長から「業務終了後の予定を入れるな」と事前に指示されており、これが3次会への参加が半ば強制的に出張の工程に組み込まれていたことを示唆すると判断された。
さらに谷口氏が重要視するのは、被害女性が6ヶ月契約の有期雇用という不安定な立場にあったことだ。正社員登用に関して強い影響力を持つ支社長からの誘いを断ることは、「事実上困難である」という「断れない構造」が明確に認定された。
谷口氏は、「従来は、『嫌なら断れたでしょ』という、形式的に自由意思があったかどうかを問うていたんですけど、『実質的に無理でしたよね』ということを今回は問えることになったので、これは非常に大きな判決になると思います」と力を込めた。
この判決を受け、谷口氏は忘年会シーズンでもあることからリスナーへ注意を促す。「2次会3次会に関しては会社は関係ないですって思っていた人がいらっしゃったとしたら、もはやそれは通用しません」と警鐘を鳴らした。
特に、有期雇用や派遣、試用期間中の従業員など、立場が弱い者に対する配慮の重要性を訴え、最後に「『パワーバランスを欠いた中でのハラスメントというのは、今後労災として時間とか場所を問わず認められるという新しい基準ができましたよ』」と、この判決が今後の労働環境に大きな一石を投じるものであると締めくくった。
※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。