アスクル売上95%減、編集長が語るランサムウェアの恐怖
日経BPで日経エネルギーNext編集長を務める山根小雪氏がラジオ番組にコメンテーターとして出演。オフィス用品通販大手のアスクルを襲ったランサムウェア攻撃の恐るべき実態と、その甚大な影響について詳細に解説した。
山根氏はこの日、駅構内の個室ワークスペースからリモートで参加しており、現代社会を支えるインフラがいかにサイバー攻撃の脅威と隣り合わせであるかを身をもって示す形となった。
45日間の停止、復旧は驚きの手作業
番組で山根氏は、アスクルが10月19日にランサムウェア攻撃を受け、システムが深刻なダメージを被った事実を伝えた。ウェブサイトでの受注再開まで実に45日間を要したものの、その復旧の内実は驚くべきもの。
山根氏は「全部手作業でなんとか動かしますよって話なんですよ」と、システムに依存しないアナログな対応で乗り切っている現状を明らかにした。
ランサムウェア攻撃の本質について、「データを暗号化したり、システムを使ったりするための、鍵みたいなものを壊したりとかしちゃう」と説明し、「障害が起きるとか、なんかそういうレベルじゃなくて、もう全部システムを作り替えないと復旧できないような、恐ろしい攻撃」であると、その悪質性を語っている。
心臓部を破壊された最新鋭の物流網
アスクルといえば、「明日来る」という社名が示す通り、迅速な配送サービスを支える最先端の物流網が強みであった。
山根氏は「国の審議会で、どれだけロボットを入れて、どれだけすごいことやってるかっていうのが紹介されるような、超最新鋭の倉庫」を全国に複数展開していたとその先進性を強調する。
しかし、ハッカー集団が標的としたのは、まさに入荷から出荷までを管理する心臓部「倉庫管理システム(WMS)」。この攻撃により、日本の物流DXを牽引してきた自慢の倉庫は完全にその機能を停止してしまったのである。
売上95%減、原始的方法での事業継続
システムの停止が経営に与えた打撃は凄まじく、11月の単月売上は95%以上減少したという衝撃的な事実が明かされた。山根氏はさらに「個人向けのほうは99.何パーセント減少」と補足し、事態の深刻さを浮き彫りにした。
この攻撃の異常性について、「我々がこうね、コンピューターでうっかり変なウイルス引っかかっちゃったみたいな世界観とは全く違う、超やばいものだ」と警鐘を鳴らす。
それでも事業を止めないのは、医療機関や介護施設への供給責任があるため。注射針など人命に関わる物資を届けるべく、当初はわずか37アイテムから、FAXや電話で注文を受け、手作業で出荷するという原始的な方法で対応を始めたのだった。
20年前へ逆戻りした過酷な現場
現在の現場は、まさに人海戦術で急場をしのいでいる状況。山根氏は「感覚的にはね、2000年代初頭ぐらいの状況に戻ってるんじゃないか」と指摘した。
DX化以前のやり方を知らない若い世代の苦労を推察し、「20年前に大活躍だった先輩たちは肩ぶん回してるかもしれないですけどね。でもなんかそんなことやったことないZ世代はつらかろうね」と、世代間のギャップも含めた現場の混乱ぶりを想像させる。
その壮絶さを物語るように、アスクルのコメントを引用し、「今現場は今年の流行語大賞みたいなことになってますよ。『働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります』。働いて5個ですよ」と、現場の悲痛な叫びを代弁した。この一件は、システムがいかに現代ビジネスの生命線であるかを痛感させる事例となった。
※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。