飯田泰之氏、2026年日本経済は『海図なき航海』へ

2025年12月30日

明治大学教授でエコノミストの飯田泰之氏が、2025年の経済を総括するとともに、2026年の日本経済について展望を語った。飯田氏は、来たるべき年を、定石が通用しない「海図なき航海」になると予測し、政府・企業・家計のそれぞれに新たな対応が求められるとの見解を示した。

トランプ関税に揺れた2025年世界経済

飯田氏は、2025年の世界経済における最大のニュースとして「トランプ関税」を挙げた。再選したトランプ米大統領が打ち出した全世界への一律関税は、当初、国際経済に大混乱を招き、深刻な不況に陥るのではないかと危惧されていた。しかし、結果としてその影響は限定的であったと分析する。

飯田氏は、「その後の交渉で、国によって税率を変えたり、あとは枠、アメリカへの輸出の枠を設ける国など設定された」と解説し、各国が有利な国を迂回して輸出するルートを確保したことで、「思ったほど破滅的な影響が出なかった。これが一つの世界経済における安心材料だったんですね」と語った。

その一方で、かつての日本や近年の中国のような、世界経済を力強く牽引する「グロースセンター」が不在であると指摘。世界経済は明確な成長エンジンを失い、「非常にグレーな、曇り空の1年だった」と総括した。

デフレからインフレへ、日本の転換点

世界経済が停滞感を漂わせる中、日本経済は大きな節目を迎えた一年であった。飯田氏は、「明確に、デフレ経済からインフレ経済への転換というのが見られた1年だったと思います」と断言。

これまでのエネルギーや原材料高騰を主因とするインフレとは異なり、「人件費が上がるのでサービス価格を上げざるを得ないといった、原材料以外が理由のインフレが徐々に混じってきた」と、構造的な変化が起きていることを強調した。この歴史的な転換期に発足した高市政権が、今後どのような経済政策を打ち出していくのかが、2026年以降の日本経済の行方を占う上で重要な焦点となる。

2026年は『海図なき航海』の始まり

来たる2026年、日本経済が直面する最重要課題は「人手不足への対応」であると飯田氏は見ている。企業の投資意欲は旺盛であるにもかかわらず、供給側の問題が深刻化。「工場建てるよって言ったけれども、人の手配が間に合わなくて工場建ってない」といった事態が頻発しており、経済成長の足枷となっている現状を報告した。

この供給ボトルネックを解消するため、政府は産業支援や外国人労働者の受け入れ拡大といった難しい政策判断を迫られる。飯田氏は、失業率が高かったデフレ期とは異なり、確立された処方箋がないこの状況を「これからいよいよ、海図なき航海と言いますか、定石、定番のない環境で来年日本経済、政策運営していかなければならない状態になる」と表現。前例のない環境下での難しい舵取りが始まると展望した。

企業と家計に求められる意識改革とは

この新たな時代を乗り切るためには、企業と家計の双方に意識改革が求められると飯田氏は続ける。深刻な人手不足を背景に、若年層を中心に「給料だけで働く場所を決めてるわけじゃない」という価値観が拡大。企業は賃上げだけでなく、職場の雰囲気や人間関係といったソフト面での魅力を高める努力が不可欠となった。

他方、家計においても、いつでも同じ価格でモノが手に入ったデフレ時代は終わりを告げた。飯田氏は「上手にその時々安いものを使って、工夫して、例えば献立を考える」といった、1980年代までは当たり前だった生活の知恵が再び重要になると指摘。物価変動を前提とした柔軟な消費行動が求められる時代が到来したと締めくくった。

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