久光製薬が非上場化、専門家が語る長期経営の利点
- 久光製薬の自社買収
- 飯田泰之の経済Zoom Up
- 10分42秒2026年1月13日
「サロンパス」などで知られる久光製薬が、経営陣による自社買収(MBO)で株式を非公開化すると発表した。創業家の資産管理会社が株式公開買い付け(TOB)を実施し、全株式の取得を目指す。買収総額は4000億円規模に上る見込みだ。この動きについて、明治大学教授でエコノミストの飯田泰之氏が、ラジオ番組でその背景と狙いを詳しく解説した。
株式市場と研究開発サイクルの齟齬
飯田氏はまず、久光製薬が非上場化に踏み切る理由として、製薬業界特有の事情を挙げた。製薬会社の事業は「研究開発から実際に商品ができるまでの時間がかなり長い」超長期の投資を必要とする。この経営環境に対し、短期的な利益を求める株式市場のサイクルが合わなくなってきていると指摘する。
昨今では「物言う株主」の存在感が増し、企業に対して「早く配当を出せ」「利益率を上げて株価もっと上がるようにしろ」といった要求が強まる傾向にある。しかし、飯田氏はこの要求が製薬会社の研究開発サイクルと「正直合ってないんですね」と断言。かつては「一流企業たるもの上場すべし」という風潮があり、上場が企業のステータスとなっていたが、すでに「サロンパス」などの強力なブランドを持つ久光製薬にとって、株式市場にとどまるメリットが薄れてきたという見方を示した。
非上場化で可能になる長期投資
では、非上場化によってどのようなメリットが生まれるのか。飯田氏は、経営の自由度が高まることで、腰を据えた長期投資が可能になると説明する。株主の短期的な要求に左右されることなく、「20年後30年後を見据えた投資を行うっていう行動が可能になる」のだ。資金調達の面でも、高い信用力を持つ久光製薬であれば「久光に貸せないっていう金融機関、ないですよね」と語り、問題はないとの見解である。
また、飯田氏は製薬業界に多い「同族経営」と長期投資の親和性にも言及した。一般的なサラリーマン社長は自身の任期中に業績を上げる必要があるため、短期的な成果を求めがちだ。一方で、同族経営の場合は「30年後に利益があるっていうものは、ある意味、自分の次の世代の財産になる」ため、長期的な視点での投資が行いやすいと分析。日本だけでなく世界的に見ても、同族経営の企業は倒産確率が低く、長期投資に向いているという研究結果もあると解説している。
上場の価値観の変化と今後の潮流
飯田氏は、今回の久光製薬の決断が、今後の日本企業の一つの流れになる可能性を示唆した。短期的な利益だけを追求するならば「従業員リストラして投資をしないっていうのが一番、今年の利益だけ増やす方法」だとし、それでは企業の中長期的な発展は望めないと警鐘を鳴らす。研究開発に長い時間を要する産業では、MBOによって株式市場から距離を置く選択肢が、今後さらに増えていくのではないかと予測した。
こうした動きの背景には、企業価値を測る尺度の変化もある。かつては上場していることが一流の証とされたが、近年は「ユニコーン」と呼ばれるような非上場の優良企業が注目を集めたことで、「上場してないからダメな企業とは言えないだろう」という認識が広まってきた。研究開発は失敗の連続であり、その中から稀に大きな成果が生まれるもの。
飯田氏は「長く続けてると、しっかりとした研究体制があると、偶然、大きな発見って生まれるんですよね」と語り、短期的な合理性だけでは測れない、長期的な研究体制を維持する経営の重要性を強調して締めくくった。
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- 10分42秒2026年1月13日
※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。