起業家が語る「事業失敗後」究極の会社整理術
起業家でラジオパーソナリティの関口舞氏と、連続起業家でTENTIAL代表の柴田陽氏がパーソナリティを務めるポッドキャスト番組「スタートFM」で、事業に失敗した起業家のリアルな悩みが取り上げられた。数億円の資金調達後に事業を撤退、しかし会社と資金が残ってしまった場合の対処法について、柴田氏が自身の経験を交えながら見解を示した。
数億円調達後に事業失敗、残った資金の行方
番組に寄せられたのは、関口氏の友人という起業家からの匿名相談であった。その人物は、ある事業で一桁億円の資金調達に成功したものの、事業がうまくいかず撤退。その後、残った資金でピボットして別事業に挑戦したが、そちらも芳しくない状況だという。
周囲からは「一度会社を精算し、別会社で再スタートすべき」と助言される一方、本人は既存投資家への申し訳なさや恩義から、身動きが取れずにいる。
「会社の箱自体もボロボロです」という悲痛な叫びとともに、どうすべきかという問いが投げかけられた。この深刻な悩みに対し、柴田氏は「ハロウィンらしいスプーキーな話題ですね」と切り出し、会社のたたみ方の難しさについて語り始めた。
柴田氏が語る、過去の会社売却での失敗談
柴田氏はまず、自身のエンジェル投資先での苦い経験を告白した。その会社は事業が伸び悩み資金ショート寸前となり、売却を検討。一度は「3億だったら買うよ」というオファーがあったものの、「5億以下なら売りません」と強気な姿勢で断ってしまった。
しかし、そのわずか半年後には状況がさらに悪化し、結局、別の買い手を探すことになった。次に見つかった買い手はM&Aを事業譲渡でしか行わない方針の会社だったため、売却で得た資金が売上として計上され、約40%もの税金が発生。
さらに、会社に残っていた公庫からの借入金も返済せねばならず、株式譲渡の場合に比べて手残りが大幅に減ってしまったという。「本当に多分億円単位で差がつくわけですよ」と振り返り、会社の整理における知識不足が、創業者にとって大きな損失を生む危険性を指摘した。
投資家が期待するのは「100倍か0か」
相談内容に話を戻した柴田氏は、まずベンチャー投資の原則論に言及。投資家は出資した時点で「100倍か0かっていうベットをしてるんですよね」と述べ、本来は資金が尽きるまで事業に全力を注ぎ、失敗するならすっからかんになるのが双方にとって最も後腐れのない形だと説明した。
資金が残った現状を「調達しすぎてた」あるいは「もっと派手に使うべきだった」と分析し、「本当は使い切らなきゃいけなかった」というのが正論であると語った。これは、途中で事業の失敗を察知し、損失を最小限に抑えようとした誠実な経営者にとっては、非常に厳しい指摘となった。
最終的には「自分の価値観」で決めるべき
では、現実的にどうすべきか。柴田氏はいくつかの選択肢を提示。一つは、残った資金を株主に返還して会社を清算する道。もう一つは、株主に対して「降りたい人」と「もう一度応援してくれる人」に分かれてもらい、後者とは新しい形で再挑戦するという「寝技」である。
しかし、柴田氏は、この問題に絶対的な正解はないと強調する。結局は「気持ちの問題」であり、投資家への義理や自身の評判を重んじるなら、既存の会社で苦しみながらも頑張る道もあるだろう。
柴田氏は、「世界の半分ぐらいはその合理性を超越した責任感みたいなんで回ってる」としながらも、それが原因で心身を壊してしまっては誰も幸せにならないと警鐘を鳴らす。
VC担当者が数年で変わる可能性も指摘し、最終的には他人の評価に縛られるのではなく、「結局自分の価値観の問題じゃないか」と、起業家自身が何を大切にするかで決断すべきだという結論を示した。
※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。