連続起業家・柴田陽氏、『引き際』の見極め方を語る

2025年12月14日

連続起業家の柴田陽氏が、パーソナリティの関口舞氏と共に届けるPodcast番組「START/FM」に出演。スタートアップの経営者から寄せられた事業戦略に関する二つの深刻な悩みに対し、独自の視点から鋭いアドバイスを送った。

目玉機能か必須機能か、開発のジレンマ

番組には、業界特化型SaaSを開発するスタートアップの代表から「プロダクト開発のタイムライン」に関する相談が寄せられた。後発であるため、競合にはない「目玉機能」で差別化を図るべきか、それとも顧客獲得に必須の基本機能を優先すべきかで悩んでいるという。数社は獲得できるものの、それだけでは次の資金調達で競合優位性を示せないというジレンマだ。

この悩みに対し柴田氏は、まず相談者の状況を整理した上で、「前者の目玉になる機能、そのキラーフィーチャーをぶつけて仮説を検証するという方に価値があるようには思えますね」と、挑戦することの重要性を説いた。ただし、闇雲にリソースを投下するのではなく、いかに費用対効果高く検証するかが肝心だと指摘する。

続けて、顧客獲得が見込める必須機能の開発については、「お客さん増やすとかは結構ノイズになっちゃうと思う」「わかってることを検証する必要ないかなと思います」とバッサリ。すでにニーズが分かっていることにリソースを割くのは非効率的であり、未知の大きな可能性を秘めた仮説検証にこそ価値があるとの見解を示した。

その検証方法として、顧客に開発費を出してもらう、あるいは競合の動向から学ぶなど、自社の資金を温存しつつROIを高める工夫を求めている。

賭けに失敗…撤退の基準とは

続いて、最初の相談とは対照的な「事業の撤退基準」に関する悩みも紹介された。資金調達を済ませ社員もいる状況で、賭けていた市場が伸びないと気づいたものの、3年間粘ってしまったという経営者からの相談だ。

柴田氏は、市場の伸びを正確に予測することの困難さに共感を示しつつ、この問題を「撤退基準」ではなく「イグジットのタイミング」として捉え直すべきだと語った。

柴田氏は、「このマーケット実は思ったより大きくないかもって知ってるのって、自分が一番最初に知ってる可能性あるじゃないですか」と、市場の未来を誰よりも早く察知した当事者ならではの情報的優位性を指摘。その貴重な情報を活かし、市場の熱が冷めやらぬうちに会社を売却することが最善の策になり得ると分析した。

具体例として音声SNS「Clubhouse」のブームを挙げ、「自分だけリテンションめっちゃ低いって気づいてるみたいな。あれ、みたいになってる。これはなんかそこで頑張るっていうよりはやっぱり見切りをつける時じゃないですか」と当時の状況を想起させる。

その上で、「これからクラブハウスに参入しようと思ってる大手のマーケティング部門とかに売りつけて」と、まだ市場に期待を寄せる買い手に事業を託すという戦略的な動きを提案。買い手には買い手の戦略があるため、これはフェアな取引だと強調した。

最後に、撤退基準を固定的に考えるのではなく、「戦略的なこう動きとしてどういう選択肢がいつ取れるのか、いつ最大化されるのかそのオプションの価値がっていう目線の方がなんかより使い勝手がいいかなと思いました」と締めくくり、常に状況を俯瞰し、選択肢の価値が最大化するタイミングを見極めることの重要性を訴えた。

※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。