ディズニーがOpenAIと電撃提携 1500億円出資の狙いを解説

2025年12月15日

知的財産(IP)の保護に極めて厳しいことで知られるウォルト・ディズニー・カンパニーが、対話型AI「ChatGPT」を開発したOpenAIに対し、約1500億円規模の巨額出資を行う方針を固めたことが明らかになった。

これまで自社の作風を模倣する生成AIに敵対的な姿勢を示してきたディズニーの大きな戦略転換について、株式会社フュージック副社長の浜崎陽一郎氏がKBCラジオ「アサデス。ラジオ」に出演し、その深層を解説した。

敵対から一転、巨額出資で提携へ

ディズニーは、世界有数のキャラクターIPを保有し、その権利保護には非常に厳格な企業として知られている。近年、生成AIが「ディズニー風」の画像を生成することが問題視されており、同社はOpenAIやGoogleに対し、自社IPの無断学習を停止するよう求めるなど、厳しい態度で臨んできた。

浜崎氏は「敵対するような立場にあるわけです。権利に厳しいディズニーですから」と、これまでの両社の関係性を指摘する。

しかし、今回ディズニーはOpenAIと手を組み、巨額の出資を決定。浜崎氏によると、この提携により、ディズニーは過去の映画やアニメの動画データ、さらにはマーベルやスター・ウォーズといった買収したIPを含む膨大なキャラクター資産を、OpenAIのAI学習に提供する方針だという。

一方で、Googleに対しては「いまだにファイティングポーズを崩しておらず、『お前、勝手に使うなよ』とディズニーは怒り狂っている」と浜崎氏は語っており、AI企業への対応に明確な線引きを行った格好となった。

制作効率化とユーザー参加の新戦略

では、ディズニーはこの提携で何を目指しているのか。浜崎氏は3つの大きな狙いを挙げる。第一に、自社のコンテンツ制作におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)である。出資の見返りとして、OpenAIがディズニー専用のAI制作環境を提供すると見られており、アニメや映画の制作効率を劇的に向上させ、コスト削減や期間短縮を実現する狙いがあると分析している。

第二の狙いは、ファンや一般クリエイターを巻き込んだ新たなエコシステムの構築だ。浜崎氏は、「近藤さんが、ラプンツェルとの恋愛動画を自分で作りたいと。『俺が恋愛するんだ、その中で』というのを作ることもできるようにしようということも言っているんですね」と具体例を交えて説明。

ユーザーが公式にディズニーキャラクターを使った二次創作を可能にし、優れた作品を動画配信サービス「Disney+」で公開することも視野に入れているという。これは、同人誌文化などがクリエイターの裾野を広げた日本の漫画業界を参考に、新たな才能を発掘しようとする戦略的な動きだと見られている。

音楽業界の失敗に学ぶ巧みな戦略転換

そして浜崎氏が最も重要だと指摘するのが第三の狙い、すなわち「敵を取り込む」という巧みな戦略転換である。技術の進歩により、権利を守るだけでは不正利用を防ぎきれない時代になった。ディズニーは、無数の海賊版が野放しにされるよりも、公式に利用の道を開いて収益化する方が得策だと判断したのだ。

浜崎氏はこの決断を、かつての音楽業界の失敗事例に重ね合わせた。AppleがiPodとiTunesを世に出した際、CDで高収益を得ていたソニー・ミュージックなどの大手は「なんで1000円で売れるものをなんで100円で売るんだ」と強く反発し、デジタル化の波に乗り遅れた。

結果、違法ダウンロードが横行し、大きな収益機会を失うことになったのである。この過去の教訓から学び、ディズニーは時代の変化に抗うのではなく、積極的に技術を取り込むことで新たなビジネスモデルを構築する道を選んだ。

今回の提携は、サンリオなど多くのIPを持つ日本の企業にとっても、無視できない大きな動きだ。キャラクタービジネスの未来を占う上で、ディズニーのこの一手が重要な試金石となることは間違いないだろう。

※この記事はPodcast番組をもとにAIを用いて自動生成されたもので、誤った情報や不完全な記述を含む可能性があります。正確性や品質は保証されませんので、必要に応じて他の情報もあわせてご参照ください。