双子返還で国内ゼロに「パンダ外交」の歴史を紐解く
東京・上野動物園で飼育される双子のジャイアントパンダ、シャオシャオとレイレイが来年1月に中国へ返還され、国内のパンダが一時的にゼロになることが明らかになった。「毎日新聞客員編集委員・元村有希子のZoom Up」で、パンダ返還の背景にある歴史や外交について詳しく解説している。
お別れを惜しむファンで4時間待ち
返還のニュースが報じられると、上野動物園にはお別れを惜しむファンが殺到。元村氏は、「4時間待ちの行列ができたとか」と現在の盛況ぶりを伝えている。あまりの混雑に「1人1分しか滞在できません」という厳しい観覧制限も敷かれているという。来月からは事前申込制による抽選となる予定で、双子を一目見ようとする最後のチャンスに多くの人々が詰めかけている状況だ。
所有権は中国、始まったパンダ外交
そもそもなぜ日本生まれのパンダを返還するのか。元村氏は、パンダが中国からのレンタルであり、「その子供が生まれて増えたとしても、所有権は中国にあるという契約なので」返還義務があると説明した。
現在、中国は40頭以上のパンダを10数カ国に貸与しており、これは「パンダ外交」と呼ばれる戦略の一環である。その起源は古く、1940年代にまで遡るという。
元村氏は、「(国民党の蒋介石の妻・宋美齢が)国際世論を中国の味方に付けようとして、つまり抗日、反日の世論をかき立てようという狙いを持って、2頭のパンダをアメリカに送ったのが始まり」と、その意外なルーツを明かしている。
「プレゼント」から「レンタル」への転換
日本でのパンダの歴史は、1972年に日中国交正常化を記念して贈られたランランとカンカンから始まった。元村氏自身も幼い頃に地方での巡回展示で見たといい、「大人の列と子供の列があって」「子供は前に行ってよかったんですよ」と当時の熱狂ぶりを回顧する。
続けて、「小学生だったんだけど、こっそり前列に並んで見ました」と、今だから言える可愛らしい秘密を告白し、パンダがいかに国民的アイドルであったかを物語った。しかし、この「プレゼント」という形は1984年を境に変化する。
ワシントン条約でパンダが絶滅危惧種に指定され取引が禁じられたためだ。これにより、中国は「プレゼントじゃなくてレンタル」という形式に切り替え、パンダは中国の宝としての価値をさらに高めることとなった。
揺れる世論と日中関係への願い
現在のレンタル料は1頭あたり年間1億円ともいわれ、ネット上では「わざわざ中国に上げてまでパンダを借りる必要はない」という意見と、「やっぱり可愛いからいてほしい」という賛成意見が飛び交う。
元村氏は、こうした状況を踏まえつつ、パンダがあまりに政治色を帯びることへの懸念を表明した。その上で、「お互い国と国との関係をね、やっぱり隣国の人たちが仲良くするというのは自然なことなので、まずは日中関係の安定というのを望みたい」と、両国の友好関係の重要性を静かに訴えた。
最後に元村氏は、パンダに会えなくて寂しい人へ向け、初代スターであるランランとカンカンの剥製が日本に現存することも紹介。多摩動物公園が所蔵しており、全国へ貸し出されることもあるため、訪問前に確認してほしいと締めくくっている。
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